ネットショップの開業をおすすめできない8つの理由

シェアする

これまでに、ネットショップ開業の相談を数十件受けてきました。皆、口を揃えて「この商品は絶対売れる!」と言います。もちろん、ネットショップを開業するにあたってはそのくらいの意気込みを持っていないと厳しいのですが、当然意気込みだけで商売がうまく行くほど甘くありません。

私は、ネットショップ開業について相談してきた方に必ず以下のことを伝えています。開業に向け前向きになっている方にこのようなことをお伝えするのは心苦しいのですが、ネットショップを開業するにあたっては、そのリスクを十分に知っておく必要があると考えているからです。

スポンサーリンク

1.ネットショップは競合が多い

さて、皆さんは日本国内にどれだけの数のネットショップがあると思いますか?

楽天市場 :約45000店(2016年3月)
Yahoo!ショッピング:約340000店(2015年9月)
DeNAショッピング:約4000店(2016年3月)
ポンパレモール:約3000店(2016年3月)

amazon :約178000(2015年6月)※個人出品者含む

これらに加え「自社ネットショップ」「独自ネットショップ」などと呼ばれる、モールへ出店していないネットショップが少なくとも十数万店あるといわれています。ネットショップを開業するということは、「インターネット」という空間の中で、ゆうに700,000店舗はあるオンラインショップと戦うということです。これに加え、メルカリなどのフリマアプリや「ヤフオク!」などのオークションサービスでも商品を購入できます。

この数値で、「インターネットで物を売る」ことの大変さがお分かりいただけたでしょうか。

もちろん、扱う商材が違うネットショップは「競合」とはなりませんので、同じ商材を扱うネットショップのみを意識していれば良いでしょう。
例えば2016年6月現在、楽天市場 に「靴」を中心に扱うオンラインショップが764店舗あります。仮に楽天市場で靴を売ろうとした場合はこの764店舗のネットショップが「競合」となるわけです。この数字が決して小さいものではないと思うのは私だけでしょうか。

2.ネットショップ開業には資金が必要

ネットショップは開業資金がかからず、比較的ローリスクで始められるビジネスと言われています。但し、それはあくまで「実店舗を作る場合のコスト」と比較しての話であって、「全くお金をかけずに」ネットショップを開業できるわけではありません。

ネットショップを開業するのにかかる主なコストは以下の通りです。

ネットショップ開業に必要な費用:出店費用

楽天市場 で、もっとも低コストの「がんばれ!プラン」の場合、以下の通りとなります。
初期登録費用:60,000円
月額出店料:19,500円×12ヶ月分=234,000円
合計:294,000円
その他、システム利用料等として売上の10%前後が月々発生します。

DeNAショッピングポンパレモールに出店の場合も同様に初期費用、月額費用が発生します。

大手モールの中で最も低コストでの出店が可能なのがYahoo!ショッピングです。Yahoo!ショッピングは初期費用、月額費用とも無料です。(月々の手数料が若干発生いたします)

モールへ出店しない場合でも、「MakeShop 」「ショップサーブ 」などのネットショップASP(ショッピングカートASP)を利用する場合は初期費用や月額費用が発生します。

唯一初期費用や月額費用が発生しないのは「BASE (ベイス)」や「Storesjp(ストアーズ)」などのECサービスを使ってネットショップを開業する場合です。(但し、手数料が若干発生します)

ネットショップ開業に必要な費用:販売する商品の仕入れ費用

ネットショップ開業にあたり必要なのが「商品」。ネットショップを開業する時点で売りたい商品が決まっている人も多いかと思いますが、いうまでもなくその商品を仕入れるお金が必要です。(自分で商品を制作する場合は材料費が必要となります。)

「ネットショップで商品が売れてから仕入れれば良いじゃないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、最初からそういった条件で商品を仕入れさせてくれる取引先は皆無でしょう。また、お客さんへ商品を届けるのも遅くなり、そのスピード感ではとても競合店舗には勝てません。

以上を踏まえますと、最初に商品をある程度仕入れる必要があり、その費用が必要となります。

ネットショップ開業に必要な費用:ネットショップ制作費用

楽天市場 Yahoo!ショッピングなどのモールを利用する場合や「MakeShop 」「ショップサーブ 」などのネットショップASP(ショッピングカートASP)を利用する場合にはネットショップの制作費用が必要となります。
楽天市場 Yahoo!ショッピングでは、ネットショップ制作の知識やスキルがなくてもネットショップの立ち上げは可能ですが、知識やスキルが無いと見やすく買いやすいネットショップを制作するのは難しいです。自分が買う側に立ったときに、どういうネットショップから商品を購入するかを考えれば、見やすく買いやすいネットショップであることが最低限必要であることは明らかです。
自分で制作できない場合は外部の制作会社へ依頼することとなりますが、その場合は数十万~の費用が発生します。

ネットショップ開業に必要な費用:広告宣伝費

ネットショップを立ち上げたら勝手にお客さんが集まってくるわけではありません。
人気商品を独占的に扱うことができるなどの特殊なケースを除けば、ほとんどのショップは集客のために手を尽くす必要があります。
集客のための方法のひとつが「広告」です。モール内の広告、検索エンジンへ出稿する広告など、基本的に全てが有料です。広告を出さなければネットショップへの集客ができず、売上も上がらないというわけではありませんが、ショップや商品を早く、そして広く知ってもらうためには広告は欠かせないものです。

ネットショップ開業に必要な費用:その他

ネットショップ開業に必要な費用はその他にもまだまだあります。
例えば商品写真撮影用のデジタルカメラ。ネットショップにおいては商品写真次第で売上が大きく変わってきますので、デジタルカメラもそれなりの機種が必要となります。商品写真の撮影を外部に依頼する場合であってもカメラマン等の費用が発生します。
また、商品発送用の箱、納品書等を印刷するプリンタ(インクや用紙等も必要)など、ネットショップ開業にあたってはさまざまな費用が発生します。

繰り返しとなりますが、ネットショップが開業資金がかからないといわれているのは、あくまで「実店舗を作る場合のコスト」と比較しての話です。いざネットショップを立ち上げようとしますと、これだけのコストが発生します。

3.ネットショップは商材探しが大変

仮に、ネットショップで販売する商材を決めずに「ネットショップの開業」ありきで事業をスタートする場合は「商材探し」に相当苦労することが予想されます。
今では、楽天市場 Yahoo!ショッピングでありとあらゆるものを購入することができます。既に楽天市場Yahoo!ショッピングで買えるものを自分のネットショップで取り扱っても、価格競争に巻き込まれるだけです。逆に、楽天市場Yahoo!ショッピングで買えない商品には、需要がないという可能性もあります。
もし、ネットショップで自分のお気に入りの商品、自分が売れると思った商品を販売するのであればそういう苦労は当分の間無いと思いますが、この場合もいずれ「商材探し」をする必要が出てきます。ネットショップを長く運営するには、ある程度の商品数が必要であるからです。

4.ネットショップは仕入れ先探しが面倒

ネットショップで販売する商材が決まったら、今度は仕入れ先を探さなければなりません。
仕入れる方法は主に以下の3つとなります。

インターネット上で仕入れる(国内)

主なサイト:「NETSEA」「スーパーデリバリー
日本国内の卸問屋からのインターネットでの仕入れは、自宅にいながらにして数多くの商品を探すことができるのがメリットです。
最大のデメリットは「競合が多く最終的には価格競争になること」です。利用条件がさほど厳しくないインターネットの卸問屋の商品は、おのずからその商品を扱うネットショップが増えますから、ほぼ間違いなく最終的には価格競争になります。ですから、これらの商品にはネットショップの“にぎやかし”として使う程度の利用価値しかありません。

インターネット上で仕入れる(海外)

主なサイト:「ebay」「アリババ」「淘宝(タオバオ)」

アメリカのオークションサイト「ebay」、「アリババ」や「淘宝(タオバオ)」といった中国のサービスを利用して商品を仕入れるという方法もあります。代行業者を使えば、英語や中国語が分からなくてもこれらのサイトを利用することができますが、問題のある代行業者が存在するため、まず代行業者選びで苦労します。また、商品のクオリティ、コンディションも一定でないことが多く、ネットショップの中心商品とするには不安が残ります。英語や中国語が堪能で、それらの言語でのやり取りや交渉にストレスを感じない方以外にはおすすめできない方法です。

卸問屋(国内)から仕入れる

そうなりますと、やはり日本国内の卸問屋からの仕入れが最も無難ということになります。但し、小ロットでの仕入れ不可、インターネットでの販売不可などの条件がつくこともあり、ネットショップを開業する前、開業したばかりの方にとっては障壁が高いかもしれません。

商材選びまではスムースに進んでも、いざ仕入れ先を探す段階でつまづいてしまうケースも多く見受けられます。運良く仕入れ先が見つかっても、ネットショップを開業する前、開業したばかりの方が好条件を引き出すのは難しいでしょう。

5.ネットショップは在庫リスクが高い

「在庫を持たなくてもネットショップを運営できる」と主張する方がいます。「商品は注文を受けてから仕入れれば良い」または「注文を受けた商品をメーカー(または問屋)から発送してもらえば良い」という考えなのでしょうが、これではネットショップというより「ドロップシッピング」ですね。

※ドロップシッピング=商品を仕入れなくてもその商品を自由に売ることができる、在庫リスクのないショップが出来るシステム

ドロップシッピングはネットショップとは別物ですし、どちらかというと「アフィリエイト」に近いです。

もし、ドロップシッピングと同様に、商品在庫を一切持たずにネットショップを開こうとした場合はどうなるでしょうか。
おそらく、「注文を受けた商品をメーカー(または問屋)からお客様に直接発送してもらう」という条件を飲んでもらうのが難しいでしょう。仮にその条件を飲んだもらったとしても、仕入れ条件が相当に悪くなるはずです。
そうすると、やはり商品在庫を抱えたほうが良いということになります。競合店舗に勝つためのスピード感を維持するためには、ある程度の数の商品在庫を持っている必要があります。

6.ネットショップは集客に苦労する

ネットショップを立ち上げても勝手にお客さんは集まってきません。楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモールは、ショップまでの導線こそありますが、その導線通りにお客さんが来ることはほとんどないでしょう。

ショップへの集客方法は大きく二つです。
①検索経由でアクセスしてもらう
②広告経由でアクセスしてもらう

まず始めに検討するのは①です。楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモールに出店した場合は、モール内の検索結果に商品やショップを出す必要がありますが、これらは開業したばかりのネットショップにとっては至難の業です。「自社ネットショップ」「独自ネットショップ」などと呼ばれるショップの場合はgoogleの検索結果の上位に出す必要があり、さらに難易度は高くなります。

ここで検討するのが②となるわけですが、コストに見合うだけの効果がある広告はさほど多くありません。多額の広告宣伝費を使えるというのであれば力技で効果を出せるかもしれませんが、開業したばかりのネットショップにそんな余裕は無いはずです。また、広告に頼って集客を始めますと「広告をやめると売上が下がるんじゃないだろうか」と思うようになり、なかなか広告をやめることができなくなります。

ちなみに、検索経由でのアクセスを増やすには「商品数の増加」「商品紹介の充実」「ブログやソーシャルメディアの適切な運用」の3点が必要です。小手先のSEOなどは全く役に立ちません。

7.ネットショップはユーザーサポートに労力がかかる

売れているネットショップは間違いなくユーザーサポートに力を入れています。人員に余裕のあるショップは専任の担当者を置き、クレームに対しても早期解決を図ります。それは、クレームがその後の売上アップにつながる可能性があることを知っているからです。
逆に、売れないショップに限ってユーザーサポートを後回しにします。「メールでの問い合わせへの返信なんていつでもいいだろう」と考え、クレーム処理も面倒臭がります。
ネットショップの運営の中で、ユーザーサポートは非常に優先順位の高い業務です。労力もそれなりにかかりますし、その労力に売上が比例するといってもいいでしょう。ユーザーサポートに労力を割くことが難しければ、ネットショップの開業はあきらめたほうが良いかもしれません。

8.ネットショップは運営に手間がかかる

ネットショップの成功の鍵はズバリ「運営」です。
商品の仕入れ、商品写真の撮影、商品の登録と紹介文の作成、集客のための工夫、ユーザーサポート、この全てを適切に行うことが成功の第一歩です。もちろん、これらを全て自分ひとりで行う必要はなく、一部を外部の方にお願いしても良いでしょう。ただ、これらのどれかひとつでも欠けてしまうとすぐに売上に表れることだけはあらかじめご理解ください。

まとめ

ネットショップを開業するにあたり、「この商品は絶対売れる!」という意気込みは絶対に必要ですが、それだけで売れるほどネットショップは甘くありません。

「ネットショップは24時間注文を受け付けてくれる優秀なツールである」などと言われるネットショップも、適切な運営を行わなければ注文など入りません。ネットショップの適切な運営には時間と労力、そしてお金がかかります。その「適切な運営」を行う自信の無い方には、ネットショップの開業はおすすめできません。

ホームページ 企画・立案/制作/運営相談 エイビス

東京・福岡・北九州の中小企業様・個人事業主様向けにホームページ運営相談と制作・リニューアルを行っています。

【ご提供サービス】

その他、仕事に関するお問い合わせはこちらからお願いします。

スポンサーリンク

シェアする

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでナリシゲをフォローしよう!