【体験談】商標法違反で被疑者として警察の取り調べを受けました

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僕が2007年にソフト・オン・デマンドを退職した後の話です。

退職の原因となったうつ病も徐々に回復してきたため、ある会社でネットショップ運営の手伝いをすることとなりました。

職場も比較的近いため通勤ラッシュとは無縁でしたし、業務量も病気の回復途中の身にはちょうどいい分量でした。

ところがある日、その会社の代表が逮捕されました。

罪名は「商標法違反」。偽ブランド商品を販売した疑い、とのことでした。

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代表逮捕の晩の出来事

警察官が大勢で事務所にやってきて、商品や書類などを段ボールにつめて持って帰りました。
いわゆる「押収」というやつです。

僕は警察の指示に従い、段ボールを指差した写真を何枚も撮られました。

僕は偽ブランド商品の取り扱いがあるなんて知りませんでしたし、仕入れにも関係しておりませんでしたので、これでお役御免だと思っていました。

が、甘かったです。

翌日、警察から電話が

翌日の朝9時ごろ、「話を聞きたいので警察まで来てください」との電話がありました。僕が仕事を終えた後でいいかと尋ねると「出来るだけ早く来てください」と言われたので、ひとまず警察に向かいました。

正直なところ気乗りはしませんでしたが、事件の早期解決のために、と思いその足で警察に向かいました。

「これって『参考人』ってやつ?」などと思いながら警察に行った僕を待ち構えていたのは…

「被疑者?」

警察に行くと、狭い部屋に通されました。部屋の中には机が1台と椅子が2脚。案内された奥の席に座ると、間もなく人相の悪い刑事がやってきました。

刑事が机の上に置いた紙に書いてある文字を見て、僕は目を疑いました。

自分の名前のそばに「被疑者」と書かれてました。

Wikipediaによりますと、「被疑者」とはこのような意味です。

被疑者(ひぎしゃ)とは、捜査機関によって犯罪を犯したとの嫌疑を受けて捜査の対象となっているが、まだ公訴を提起されていない者を指す日本法上の法令用語である。
一般に用いられる容疑者(ようぎしゃ)は、一般に犯罪の嫌疑を受ける者を指す語であり、マスコミ等においては「被疑者」に替えて「容疑者」と呼ぶことが多い。

つまり、よくニュースで聞く「容疑者」と同義です。

「え?これって逮捕?」僕は気が動転しました。

人相の悪い刑事から「黙秘権」の説明を受けた後は、刑事による高圧的な質問攻めが続きました。

いろんな言い回しで質問してきましたが、聞いていたのはただひとつ。

「偽ブランド商品って知ってて売ってたんだろ?」ということです。

僕は本当に何も知らなかったので、毎回「知りません」と答えていたのですが、なかなか話を終えてくれません。

あまりにも同じようなやり取りが続くので、僕は刑事に聞きました。

「すみません。どうすれば話を終わらせてもらえるんですか?」

刑事は言いました。「お前が本当のことを言ったら終わらせてやるよ。」と。

僕はずっと本当のことを言っているのですが、それは警察が作ったストーリーに沿っていなかったのでしょう。

警察が作ったストーリー上の「本当のこと」は「僕が偽ブランド商品の存在を知っていて販売していた」ことです。

取り調べは延々続きました。

何度本当のことを言っても、話は終わりません。

刑事「お前、本当は偽ブランド品だって知ってたんだろ?あん?」

僕「知りません」

刑事「こんな有名なブランドのマークを知らないわけないだろ?あん?」

僕「すみません。勉強不足です」

刑事「で、商品はどこから仕入れてたんだ?あん?」

僕「知りません」

さすがに、6時間もこんなやり取りを繰り返していると、頭の中がおかしくなってきます。

僕がこのときに考えた、この取調室から出る方法は以下の2つでした。

①(本当は知らなかったけど)「偽ブランド商品であることを知っていた」と答える

②頭がおかしくなったふりをして部屋の中でうんこを漏らす

①はよくある話ですよね。この場から逃れたい一心でやってもいない罪を認めてしまう、と。
ただ、一度罪を認めてしまうとそれをひっくり返すのは100%無理でしょう。
この、辛い取り調べから一時的に逃れることができるだけで、その後にもっと辛いことが待っています。
そう考え、①は僕の中で消えました。

残るは②です。これは真面目に考えました。

突然奇声を上げてズボンを下ろし、その場でうんこ(それも柔らかめのもの)をする、というシュミレーションを頭の中で何度も行いました。

取調室で突然うんこをすれば、頭がおかしいヤツとして扱われ、解放されそうな気がしたんです。

「突然奇声を上げるのもおかしいか…」と思い、僕は取り調べ中に少しずつ唸り声を出し始めました。

今考えると、取り調べを受けながら唸り声を出すのも十分おかしいです。

僕は考え直して、意地でも本当のことを言い続けることに決めました。仮に拘留されることになったとしても。

こんな質問もありました。

取り調べの最中に、今回の事件には関係ないことも聞かれました。

出身地の話、家族構成の話など、要は「このクソ被疑者がどう生きてきたか」を知るためのものなのでしょう。

当然、前職の話も出ました。

刑事「このソフト・オン・デマンドってのは何の会社だ?あん?」

僕「アダルトビデオを販売している会社です。」

刑事「お前みたいなのが勤めていたような会社だからおおかた裏ビデオの会社だろ?あん?」

僕「いえ、違います」

刑事「嘘をつくな!あん?」

こんなやり取りもありました。

取り調べ終了

夜10時ごろだったでしょうか。終電の時間が近づいてきたこともあり、僕は解放されました。

人相の悪い刑事は最後にこう言いました。

「本当のことを言うまで何度でも来てもらうからな!あん?」

だいたい半日くらい拘束されていたようです。その間、食事をしていません。カツ丼が出るのなんてドラマの中だけです。

数日後、再度警察に。そして検察に

数日後、再度警察に呼び出されました。

このときはもう自分が「被疑者」であると自覚していましたから、急いで警察に向かいました。

数日前と同じ部屋で待っていたのは、表情の柔らかな初老の刑事でした。

質問の内容は前回と同じでした。

しかし今回の刑事は、僕の言うことに一切反論せず話を聞いてくれました。

呼び方も「お前」ではなく「あなた」でした。

前回と比べますと、まるで「北風と太陽」です。

あまりの和やかさに気が緩んでしまいそうになりましたが、これも警察の作戦ではないかと思い、何とか堪えました。

この日は3時間も経たないうちに無事解放されました。

さらに数日後、今度は検察に呼び出され、取り調べを受けました。
この取り調べも比較的穏やかでしたが、僕は油断することなく慎重に会話しました。

晴れて不起訴に

結果として僕は「不起訴」になりました。

最後に警察に行ったときに、最初に僕を取り調べた人相の悪い刑事がバツ悪そうな表情だったのを今でも覚えています。(言葉遣いも丁寧なものになっていました)

警察での用事を済ませ、帰ろうとしたときに、初めて見る若手の刑事がにこやかに話しかけてきました。

「ナリシゲさん、ソフト・オン・デマンドで働いてたんですって?僕がなりさんのファンなんですよ。今度いろいろ話を聞かせてくださいね!」

「話を聞かせてください!」って、また警察に呼ばれるのかと思いましたよ。
というか人の供述調書を見るのはいいけどそんな使い方をしていいのか。

今考えると危なかったのかも

僕は逮捕されたわけではないので、最終的に罪に問われることはないと思ってました。(実際に関与していたわけでもありませんし)

でもその認識は少し違っていたようです。

僕のケースは「在宅事件」と呼ぶらしいのですが、逮捕されなかったからといって決して罪に問われないわけではないようです。

以下アーク東京法律事務所より引用

在宅事件とは、被疑者を身柄の拘束しないで手続を進める事件のことです。
一方、身柄事件とは、被疑者を逮捕・勾留によって身体的に拘束して手続を進める事件を言います。

刑事事件というと、逮捕・勾留される身柄事件を思い浮かべることが多いかと思いますが、実際には比較的軽微な事件では在宅事件になることも少なくありません。

それでは、どのような場合に身柄事件とされ、どのような場合に在宅事件とされるのかが気になるところですが、明確な基準が公表されているわけではありません。

また、逮捕されても、勾留されずに在宅事件になるケースもありますし、勾留後に身柄拘束の必要性が消滅するなどして釈放され、その後は在宅事件として処理されるケースもあります。

反対に、在宅事件として捜査が進められた結果、証拠が十分に揃ったので逮捕されるというケースもあります。

なお、注意しなければならないのは、在宅事件であるからといって、不起訴処分になるとは限らないということです。

一般的には、身柄事件よりも在宅事件の方が処分が軽くなることが予想されますが、在宅事件でも公判請求され、実刑になることもあり得るのです。

逮捕の有無と、起訴・不起訴は関係ないんですね。
僕も状況によっては起訴されていたのかと思うと、とても恐ろしいです。

でももし逮捕され、拘束されての取り調べだったら、その苦しさに耐えきれずにやってもない罪を認めていたでしょうね。

おそらく罰金で済むのでしょうが、やってもいない罪を認めたことに対する自己嫌悪などで、うつ病が悪化していたことでしょう。

苦しくても、正しさを貫いて良かった。

全てを終えて思ったこと

・取調室が意外と狭かった

・丼ものが出るのはテレビの刑事ドラマだけっぽい

・「無罪推定の原則」なんて嘘。被疑者なのに犯人扱い。しかも過去まで否定される。

・よく言われる「ストーリーに沿った取り調べ」、本当にある模様。

・本当に「罪を認めるまで帰してくれない」勢いだった。これは冤罪なんて簡単に生まれるわ。

・供述調書はどう使われるか分からない

そして、一番はこれです。

・どんなに取り調べが苦しくても、やってもない罪を認めない、心の強さが必要なこと。

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