スポーツ紙は「イナバウアー」を正しく理解してください

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琴奨菊の仕切り前のこのポーズを「琴バウアー」や「菊バウアー」などと呼ぶようですが、テレビ局やスポーツ紙は競技の技名を正しく理解できないのでしょうか。

スポニチアネックスより引用)

この写真は荒川静香選手のイナバウアーです。

47newsより引用)

そして次の写真、織田信成選手のこの技もイナバウアーです。

日本スケート連盟より引用)

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そもそも「イナバウアー」ってどんな技?

イナバウアーとは、フィギュアスケートの技で、足を前後に開き、つま先を180度開いて真横に滑る技である。

Wikipediaより引用)

つまり、イナバウアーとは「足の技」であり、上半身の反りは全く関係ありません。

※ちなみに、上半身を反らす技は「レイバック」と言います。

下の写真全て「イナバウアー」です。

足にご注目ください。

Wikipediaより引用)

「イナバウアー」の由来は?

1950年代に活躍した旧西ドイツの女性フィギュアスケート選手、イナ・バウアーが開発したのでその名が冠された。

Wikipediaより引用)

「イナバウアー」という技の由来は人名なんです。

固有名詞を使った技名は、さすがに間違って使っちゃダメですよね。

技名=人名って結構あるの?

同じフィギュアスケートでは「ビールマン・スピン」が有名ですね。

デニス・ビールマン選手が広く普及させたと言われるこの技、今は羽生結弦選手もよく使ってますよね。

朝日新聞より引用)

人名=技名となっているのは、体操競技が一番多いかもしれません。

シライ(ゆか)、グシケン(平行棒)、モリスエ(平行棒)、ツカハラ(跳馬)などが有名でしょうか。
意外なところでは段違い平行棒に「コマネチ」という技があります。(もちろんあのナディア・コマネチ選手由来です)

その他、「バサロ泳法」「デンプシーロール」「アリ・キック」「冬木スペシャル」、全てが人名由来です。

荒川静香さんはきちんと訂正しているようです。

話を戻します。

この「イナバウアー」問題、荒川静香さんも公の場で訂正しています。

2つ目のデマは「イナバウアーは上半身を反らすこと」というデマだ。上半身を反ることをイナバウアーと誤解している人が多いが、実は足のかたちのことだという。上半身を反らすのはレイバックという技で、イナバウアーだけだと高い点数がつかないので、レイバックと組み合わせる選手が多く、誤解を招くことになったと解説される。
番組ではデマを広めた荒川静香の元へ行き、謝罪するように促す。しかし、荒川も負けてはいない。「解説する人が『イナバウアー』と言い続けたのが原因で、私が申告したわけではないですよ。トークショーや取材の場では訂正をして、反ることがイナバウワーじゃないですよとひと言いっています」と話す。世間が誤解したのはメディアのせいだと。さすが金メダリスト、簡単には負けません。

jcastより引用)

トリノオリンピックから10年経ったのに…

荒川静香さんが2006年のトリノオリンピックで「レイバック・イナバウアー」を披露して10年経ちました。その間、間違った解釈が減るどころか、スポーツ紙自らが広めていることに驚きです。

こちらの東京スポーツの記事によりますと東スポだけでなくNHKのアナウンサーまでが「イナバウアー」を正しく理解していないことが分かります。

11日に東京・両国国技館で行われた「NHK福祉大相撲」でも司会のアナウンサーが「最近は琴バウアーということで…あっ、菊バウアーだ」と言い直すなど混乱も生じている。

こちらの日刊スポーツの記事を見ますと、琴奨菊本人も間違って覚えてるようです。

最後の塩まきの時に、ルーティンとして左手に塩を握ったまま上半身をそらす、あのポーズだ。フィギュアスケートの「イナバウアー」にひっかけ、初場所千秋楽のパーティーで本人が「琴バウアー」と命名。だがその後、「琴」は部屋の力士に共通するしこ名の一部で、オリジナルを重視するなら「菊バウアー」ではないか…の声も上がり、メディアでも両方が存在している。

こちらはスポーツ報知。

こちらはスポニチ。

デイリースポーツ。

サンスポ。

驚くことに全スポーツ紙が「イナバウアー」を正しく理解していません。

そしてなんと、スポーツ紙だけでなく日経までもが。

結論

琴奨菊の仕切り前のポーズを「琴バウアー」や「菊バウアー」と呼ぶのはやめましょう。

特にスポーツ紙の皆さんは「イナ・バウアー」さんに対するリスペクトに欠けているのでは?

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